Summary

Brain Dev. 2018 Oct;40(9):837-840. doi: 10.1016/j.braindev.2018.05.001. Epub 2018 May 16.

Interpretation of acid α-glucosidase activity in creatine kinase elevation: A case of Becker muscular dystrophy.

Abstract:

日本語要旨:

GAA遺伝子の病的変異と多型により酸性アルファグルコシダーゼ活性が著明に低下していたベッカー型筋ジストロフィーの1例を示す。3歳の男児に無症候性のクレアチンキナーゼ上昇がみられた。MLPA法でDMD遺伝子の欠失や重複は認めなかった。酸性アルファグルコシダーゼ活性は低下していたが、GAA遺伝子の遺伝子解析では一つのヘテロ接合性ミスセンス変異((c.118C > T, p.Arg40*)のみを認めた。筋病理ではグリコーゲンの蓄積や酸フォスファターゼの高活性は認めず、免疫組織化学染色ではジストロフィンは薄くまだらな染色パターンであった。ウエスタンブロットではジストロフィンタンパクが正常の11.8%に低下しており、DMD遺伝子の直接シークエンスでは、ヘミ接合生のナンセンス変異(c.72G > A, p.Trp24*)を認め、ベッカー型筋ジストロフィーと診断した。GAA遺伝子のもう一つアレルに、酸性アルファグルコシダーゼの偽性低下を示す2つの多型を認めた。臨床医はクレアチンキナーゼ上昇の診断において、偽性の低下を示すアレルの解釈に注意すべきである。

PMID:  29778277

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