Summary

Brain Pathol. 2018 Jan;28(1):123-124. doi: 10.1111/bpa.12575.

A 31-Year-Old Man with Slowly Progressive Limb Muscle Weakness and Respiratory Insufficiency.

Abstract:

日本語要旨:

病歴:31歳の家族歴のない男性。緩徐進行性の筋力低下のため筋生検を受けた。20歳から足の背屈困難があり、その後筋力低下は進行し、歩容異常、嚥下障害が出現した。30歳頃に2型呼吸不全が出現した。血清CKは375 IU/L、筋電図は筋原性で、骨格筋CTでは半膜様筋に顕著な脂肪置換がみられた。筋病理では軽度の筋原線維間網の乱れと縁取り空胞に加えて、筋鞘膜下に配列する細胞質内封入体を認めた。診断は何か?診断確定のために次に行う検査は何か?  診断:早期呼吸不全を伴う遺伝性ミオパチー(HMERF)。TTN遺伝子にヘテロ接合性の変異(g.284701T>C, p.Cys31712Arg)を認めた。討論:HMERFの臨床的特徴は早期、特に歩行可能な時期に呼吸不全を伴う、成人発症の筋力低下である。足関節の背屈障害は顕著である。骨格筋画像では、早期に半腱様筋や下腿前面の筋が障害される。病理学的な特徴は、ネックレス状に配列する細胞質内封入体である。呼吸不全がない場合でもネックレス状の細胞質内封入体がみられれば、TTN遺伝子エクソン343のシークエンスを考慮すべきである。

DOI:  29265629

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