バイオバンク・ネットワークジャパンとは?
バイオバンク・ネットワーク ジャパンとは国内の主要な14のバイオバンクが参画する研究基盤ネットワークです。私たちナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)も、バイオバンク・ネットワーク ジャパンに参画しています。バイオバンク・ネットワーク ジャパンにおいて、NCBNは6つの国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)のバイオバンク間で連携し、非常に専門性の高い特定の疾患領域に特化したヒト生体試料の供給源としての役割を担っています。
本ページでは、バイオバンク・ネットワーク ジャパンの役割、背景、NCBNとの関係性、そして活用方法等について説明します
バイオバンク・ネットワークジャパンの役割
バイオバンク・ネットワーク ジャパンの主な役割は、日本の医療の発展(オーダーメイド医療や創薬など)を促進させるために、各バイオバンクに保管されている生体試料(血液・組織など)や臨床情報の利活用を推進することにあります。
具体的には、以下のような役割を担っています。
- 横断的な検索システムの提供: 「バイオバンク横断検索システム」を運用し、研究者が複数のバイオバンクにある豊富な試料を一括で検索・利用できる仕組みを構築しています。
- 活用方法の普及: バイオバンクの倫理的・法的・社会的対応を考慮した「バイオバンク利活用ハンドブック」の作成と活用事例の取りまとめを行っています。また、バイオバンクを利用する場合の研究計画書の作成支援も実施しています。
- 産学官連携の促進: 大学の研究機関だけでなく、製薬企業などの民間企業とも協力し、新しい診断法や治療法の開発を支援しています。
- 普及啓発と信頼構築: 毎年6月6日を「バイオバンクの日」に制定するなど、活動の認知度を高め、試料提供者(患者や市民)の理解を深める活動を行っています。
- 国際連携の強化: 国内と海外の倫理の違いなどを調査し、海外との共同研究をスムーズに行えるように検討を行っています。
このネットワークは、バイオバンク・ジャパン(BBJ)、東北メディカル・メガバンク計画(ToMMo)、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)の国内3大バイオバンクをはじめとした14機関のバイオバンクが手を取り合うことで成り立っています。
▶ バイオバンク・ネットワークジャパン「バイオバンク・ネットワークについて」発足の背景
バイオバンク・ネットワーク ジャパンの発足には、日本のゲノム医療の実用化推進を目指した国家的なプロジェクトが背景にあります。
発足以前、日本には「バイオバンク・ジャパン(BBJ)」「東北メディカル・メガバンク計画(TMM)」「ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)」や、その他の「大学病院のバイオバンク」などが個別に存在していました。しかし、研究者が特定の試料を探す際、各バンクに個別に問い合わせる必要があり、「どこに何があるか分からない」「手続きがバラバラで時間がかかる」という大きな課題がありました。
この状況を打破し、日本全体を一つの巨大なバイオバンクのように機能させることを目的として、日本医療研究開発機構(AMED)の「ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業」が立ち上がりました。
バイオバンク・ネットワークジャパンは、このAMEDの「ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業」の中核となる「ゲノム研究プラットフォーム利活用システム」として活動しています。
▶ AMED「ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業(ゲノム研究プラットフォーム利活用システム)」について参加しているバイオバンク
バイオバンク・ネットワーク ジャパンに参画するバイオバンク(2025年5月現在)
- バイオバンク・ジャパン (BBJ)
- 東北メディカル・メガバンク計画(TMM)
-
ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク (NCBN)
- 国立がん研究センター(NCC)
- 国立循環器病研究センター(NCVC)
- 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)
- 国立成育医療研究センター(NCCHD)
- 国立長寿医療研究センター(NCGG)
- 京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンター (KUB)
- 東京科学大学疾患バイオリソースセンター (TMD)
- 筑波大学附属病院つくばヒト組織バイオバンクセンター (THB)
- 岡山大学病院バイオバンク (OBB)
- 神⼾⼤学医学部附属病院バイオリソースセンター(KBR)
- バイオバンク信州(BBS)
バイオバンク・ネットワーク ジャパンが提供している価値
バイオバンク・ネットワーク ジャパンが提供している主な価値は、国内に点在する貴重な医療資源を「一つの巨大なインフラ」として機能させ、研究開発のスピードと質を劇的に向上させることにあります。
研究者にとっては、「バイオバンク横断検索システム」を活用することで探索コストの劇的な削減につながります。また「バイオバンク利活用ハンドブック」や、個別の研究計画作成の支援を通じて、スムーズな研究推進が可能になります。
産業界においては、ゲノム情報と臨床情報を掛け合わせた多層的なオミックス解析データを活用することで、病気の原因となる分子の特定や、効率的な治験計画の策定を支援します。また、企業が大学や国立研究機関と共同研究を行う際の窓口となり、日本の医療イノベーションを社会実装(製品化)へ繋げることがこれまでに以上に加速します。
最終的な価値は、患者さま一人ひとりに、最適な医療(個別化医療)を届けていくことです。バイオバンク・ネットワーク ジャパンの活動を通じて、日本の医療のさらなる発展を目指しています。
ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業(ゲノム研究プラットフォーム利活用システム)について
「ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業」は、日本が国を挙げて「ゲノム情報を活用した新しい医療(個別化医療)」を患者さまに届けるための土台(プラットフォーム)を作るプロジェクトです。
AMED(日本医療研究開発機構)が主導しているこの事業には、複数の課題(プロジェクト)があります。その中の一つが、「ゲノム研究プラットフォーム利活用システム」プロジェクトです。一言でいえば研究データをいかに効率よく、安全に、社会で使いやすくするかというしくみ(システム)づくりで、この事業の中核を担っています。
詳細はAMEDのWEBサイトをご覧ください。
▶ AMED「ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業(ゲノム研究プラットフォーム利活用システム)」についてプラ利とは
AMEDの「ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業」の課題の中の一つである「ゲノム研究プラットフォーム利活用システム」を指して「プラ利」という略称が使われています。
バイオバンク・ネットワークジャパンにおけるNCBN
バイオバンク・ネットワーク ジャパン(プラ利)におけるNCBNの役割は、6つの国立高度専門医療研究センターを連携し、多彩な領域の生体試料の他に、専門性の高い詳細な臨床情報を提供することです。NCBNはバイオバンク・ネットワーク ジャパンより以前に、複数機関を横断的に検索することができる「NCBNカタログデータベース」を構築し、早くから企業への試料分譲などを積極的に行ってきました。厚労省管轄のバイオバンクであり、複数施設連携の先行事例、数多くの分譲事例を持つNCBNがそのノウハウを共有することで、バイオバンク・ネットワーク ジャパンの在り方を強化する役割を果たすとともに、バイオバンク・ネットワーク ジャパンに非常に多くの情報を提供しています。
ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク (NCBN)が連携する6つの国立高度専門医療研究センター
- 国立がん研究センター(NCC)
- 国立循環器病研究センター(NCVC)
- 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)
- 国立成育医療研究センター(NCCHD)
- 国立長寿医療研究センター(NCGG)
バイオバンク・ネットワークジャパンの利用方法
研究者の方はどなたでも、ネットワークに参画するバイオバンクの試料・情報について検索することができます。「バイオバンク横断検索システム」から、研究条件に合致する試料・情報のIDを取得が可能です。
▶ バイオバンク横断検索システム次に「バイオバンク・ネットワーク利用申請システム」から、所要経費・時間の概算、事前相談、利用申請準備、共通の利用申請フォームによる利用申請書の作成までの手続きをオンラインで行うことができます。システムの利用には横断検索システムのユーザー登録が必要です。詳しくは以下の公式WEBサイトをご覧ください。
▶ バイオバンク・ネットワーク利用申請システムFAQ
問合せ先
- バイオバンク・ネットワークジャパンの問合せ先は?
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こちらのバイオバンク・ネットワーク ジャパン公式WEBサイトを参照してください。
▶ バイオバンク・ネットワーク ジャパン「問合せ・クレジット」 - NCBNの問合せ先は?
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WEBサイト内にある「Contact Us」からお問合せください。また、よくある質問は「Q&A」をご覧ください。
